2015年08月16日

残業税

連続刊行第二弾は、社会派ミステリー『残業税』。現代社会を蝕むブラック企業やサービス残業の問題に、斜め上から取り組んだ、渾身の一作です。

たばこをやめさせるためにたばこ税があるなら、肥満を減らすためにポテトチップス税があるなら、残業を減らすために残業税があってもいいじゃない。というわけで、本作では残業税が導入され、労働改革がなされつつある社会を舞台にしています。

その制度を簡単に説明しましょう。

・残業税の税率は、月40時間までが20%、月80時間までが40%、それを超えると80%です。これが残業代(法定時間外であれば休出手当なども含む)についてかかります。労使折半で、税金は源泉徴収されます。
・サービス残業は脱税であり、労使ともに処罰されます。ただし、違反を労働者が告発した場合および税務署の調査に協力した場合、罪は免除され、税の支払い義務は使用者に移ります。
・税務署所属の残業税調査官と、労働基準監督官がコンビを組んで不正を取り締まります。が、省庁の壁があるので、この両者は一般的に不仲です。
・専門性と公共性の高い公務員は、除外職あるいは免除職と言われ、残業税が免除されます。警察官、消防士、自衛隊員、教師、残業税調査官などです。民間にも免除制度はあります。
・ホワイトカラーエグゼンプションの対象となる年収1500万以上の給与所得者は、残業の概念がないので残業税もありません。

さらに、残業税導入と引き替えに、以下のような企業優遇策がとられています。

・法人税の実効税率は20%です。
・解雇規制は緩和されています。不当解雇の金銭補償制度が導入されています。

 概要は以上です。よりくわしくは、本書をぜひお読みください。

 このような制度下で、ブラック企業と戦う残業税調査官と労働基準監督官の活躍を描くのが『残業税』です。すべての働く人にささげる一冊、ご満足頂けると思いますので、お手にとってくだされば幸いです。


posted by 小前亮 at 14:30| Comment(0) | 作品紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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